■新婚生活をスタートする上での心得

結婚式を終えると、新婚生活のスタートです。新品の家具、パートナーと過ごす『夫婦の時間』、、、結婚式や新婚旅行の写真を見返し、幸せだなぁと頬が緩んでいるのではないでしょうか。新婚時代は、今だけのものです。今だからできること、今のうちにやっておくといいことをご紹介いたします。

まず第一に、パートナーは他人です。ついでに言うと、子どもだってそうです。自分の思い通りにならなくて当然。食事の好み、考え方や優先順位、時間の使い方、完全一致する項目はないと心得ましょう。かといって我慢は禁物です。

愛しくてたまらないパートナーを優先してあげたい気持ちもわかります。しかし、新婚時代の”お互いに少し気を遣っている間”に、思ったことを伝える練習をしておきましょう。不満をぶつけるのではありません。A案でもB案でもない、AとBを叶える第3の案を2人で作り出す、それを夫婦の習慣にするのです。

■新婚時代にしておくといいこと

結婚式はスタートに過ぎません。結婚生活は、この先長く長く続いていくのです。新婚時代の輝きが失われたとき、居心地のよい家庭であるための秘訣はなんでしょうか。それは、新婚の間にお互い居心地のよい生活習慣を作ってしまうことです。

・眠るときは同じ部屋で

新婚時代は、図らずとも同じ時間にお布団に入り、他愛のない話をし、スキンシップを楽しんでいることでしょう。しかし年月が流れると、互いへの関心が薄れたり、仕事の疲れで倒れこむように眠ってしまったりと、状況は変化するものなのです。

相手の息遣いを感じる、「今日もお疲れ様」と声をかける、そんなちょっとしたタイミングを得られるのが寝室を一緒にする大きなメリットです。気温の感じ方に差があるご夫婦なら、シングルベットを2つ用意しておくのがおすすめ。空調の場所に合わせてベッドを動かすことができますし、引っ越しや模様替えの際も移動が容易です。

・2人で話す時間を、スケジュールに組み込む

スケジュールとして予定を組まなくても、ただ一緒にいるだけで楽しい。くだらない内容でも笑いあえる。そんな新婚時代に、スケジュール化しようとは思いもしないでしょう。しかし前述のように、状況は変化します。”話さないこと”が日常化してしまうと、定期的に話す習慣を作り上げるのは大変な労力です。

テレビを消して、お互いの顔を見て、問題解決に向けて話し合う。私自身、これは実践しておけばよかったなと思います。いくら小さなことであっても、不満を溜め込むといい流れは生まれません。我慢の限界に達し、突然大きな声を出してしまったら、パートナーは衝撃を受けるでしょう。不満に思っていたことなんて、露ほどにも思っていなかったからです。話し合いがスケジュールにあると、違和感を覚えたときに手帳に書き留めていき、少し時間を置くことで冷静な話し合いができるのです。

今はスケジュールを共有できるスマートフォンアプリもあるので、ぜひ利用してみてください。子どもを授かったとき、検診日や出産予定日、学校の行事など一目瞭然でおすすめです。

・1人の時間も大切に

結婚式の打ち合わせ、結婚式に新婚旅行。結婚を決めた日から、今まで以上にお二人で考えること、過ごす時間がぐっと増えたと思います。異なる生活環境で育ってきたお二人が、共同生活を歩み始めるのです。ときには一人でほっと一息つきたいときもあるでしょう。

それはお互い様なのです。ただし、そう思うタイミングは違うかもしれません。パートナーと一緒にいたいと思う日に限って、相手が「一人にして」と言ったとしてもがっかりしないでください。拒絶されたわけではなく、そういうタイミングなだけです。なら私も一人でのんびりしよう!と気分転換ができれば、互いに有意義な時間になりますよ。

■気を付けたいポイント

親兄弟であっても、自分が熱心に取り組んでいること、コツコツ続けていることを、侮辱されたらいい気持ちはしません。むしろ、「こんなに近くにいてどうして理解してくれないんだ」とさえ感じます。相手に自分の考えや習慣を押し付けることはやめましょう。負けるが勝ち。相手に花を持たせてあげるのです。相手の言葉を論破するより、よっぽど気分が良いですよ。

ケンカだって、互いを理解するためには必要なこともあります。冷静に話し合えるのが理想ではありますが、それで伝わらないときは感情を乗せて伝えてもいいのです。我慢が募り、生活が苦痛になる前に、色々な伝え方をしてみましょう。

■”2人の生活”を心地よくするために

会えることが特別だった交際中とは異なり、日常の生活となっていくのが結婚です。待ち合わせをしてデートしたり、結婚前の思い出の地を訪れたりと、恋人時代を思い起こすイベントもいい刺激になるでしょう。

また結婚を機に、転出届・転入届、免許証の書換え、預金通帳やクレジットカードの変更など、手続きがたくさんあります。引っ越したばかりの土地で、役所関係を一人で巡るのは心細いもの。可能な限り、お二人で行くことをおすすめします。

食料品や調味料だって、一から揃えると相当な量になります。「今日は何が食べたい?」とスーパーで食材を選ぶのも、新婚時代なら楽しいはず。ときには、今日は手抜きしたい、作りたくない、など甘えてみましょう。頼られたり、弱い部分を見せてくれたりするのは、パートナーにとってはうれしいものです。

 

飯倉 澪香 プランナー