新婚時代の初々しさが落ち着いたころ、お互いを深く想い合う関係でありたいですね。愛するパートナーと子どもに恵まれ、温かい家庭を築く。ペットを家族に迎え入れ、2人と数匹でワイワイ過ごす。そんな理想の家庭を、現実にするためのコツをご紹介します。

 

■前提として、覚えておいてほしいこと

まず、結婚したとしても、お2人は違う人間です。言われてみれば、当たり前。しかし、心のどこかで期待してしまう人が多いように思います。『親しき仲にも礼儀あり』を心掛けておくと、いい関係が築けますよ。

 

・パートナーは、”他人”

付き合いが長くなると、「言わなくてもわかるだろう」と思ってしまう人がいます。しかし、言葉にしないと伝わりません。”ありがとう”も”ごめんね”も、”おいしかったよ”も、相手から受け取ることに意味があるのです。「きっとこう思っているだろう」という予想は、いつか「本当はどう思っているの?」という不安に転じ、パートナーへの不満に繋がります。

 

愛情を言葉にすることは、たくさんのプラス要素を生みます。女性は愛されている自信から美しさに磨きがかかり、男性は妻からの思いやりによってやる気に満ち仕事に打ち込めます。また日頃からコミュニケーションが取れていれば、家事分担など相手に協力を求めるような相談も持ちかけやすいやすいですね。

 

・適正な距離感を保つ

パートナーは、一人の人間です。あなたの所有物ではありません。「私の夫なんだから、雨の日の送迎は当然」や「毎晩のお酌は妻の勤め」など、考えを押し付けるのはやめましょう。相手を尊重し、お願いをするスタンスです。そして断られてもむっとせず、叶えてくれたら素直に感謝を伝えましょう。

 

また1人の時間や友人付き合いも大切です。「いってらっしゃい」と笑顔で送り出してもらうと、気持ちよく楽しむことができ、パートナーへの感謝の気持ちも生まれます。異性の友人と2人きりで会うのは、一般的に結婚後は避けるべき行動とされています。裏切られたような気持ちになる人もいれば、共通の友人であれば可とする方など、人によって感じ方はさまざま。デリケートな部分なので、パートナーと話し合っておくのが無難です。

 

・役割に縛られない

結婚したことで、頑張りすぎていませんか?『妻』という役割に、プレッシャーを感じていたり。私はこんなに頑張ってるのに、とパートナーに対して不満を覚えたり。真面目な人ほど、このワナに陥ってしまいます。眉間にシワを寄せていたら、パートナーも話しかけづらくなります。スキンシップが少なくなると、相手の関心が薄れたように感じ、さらなるイライラが募ってしまいます。

 

家事なんて、完璧でなくても生活できます。料理が苦手であれば、デリバリーや外食を利用すれば良いのです。掃除が苦手なら、ロボット掃除機や外注サービスもありますよね。今は、いろんな商品やサービスがあるので、適度に利用してみてはいかがでしょうか。

 

不慣れな役に雁字搦めにされていると、せっかくの楽しい結婚生活が台無しです。頑張りすぎているなと感じたら、ハグやキスをしてスキンシップをとりましょう。ハグすることでストレスを1/3に軽減できるといいます。くわえてキスは免疫効果をアップさせるそうですよ。

■同じものを見る

一緒に取り組めるものがあると、2人で過ごす時間が充実します。相手の進捗具合を聞く、2人で作戦会議をする、など1つの対象について一緒に考える時間ができるからです。

 

・2人で取り組む目標・趣味を持つ

共通の趣味はありますか?旅行、山登り、スポーツ、ゲームなど、夫婦で一緒に取り組まれて方は多くおられますね。子育てが一段落ついたので、のんびり旅行でも…と話すご夫婦を見て、理想的だなぁと思ってしまいます。

 

別々の趣味と、それに伴い別々のコミュニティがあることは、自身の時間を充実させるには効果的です。しかし子どもが小さいうちは、1人で長時間外出することはママにとってハードルが高いもの。今は2人で楽しみ、いずれ家族で取り組めるような趣味をもっておくのがおすすめです。

 

他にも、貯金、ダイエットなどの目標をシェアするのもおすすめです。一緒に励む仲間がいるとモチベーションが上がりますし、うまくいかないときは一緒に改善点を探ることができます。夫婦の絆も強くなるはずです。

 

・理想の家族像

共通の趣味や目標を持つのは難しいと感じる方は、思い切って理想の家族像を話し合ってみてはいかがでしょうか。念押ししますが、理想の『家族』についてです。「僕はこれがしたい」「あなたにはこういう夫でいてほしい」という一方的なものではありません。

 

どんな夫婦でありたいか、子どもとはどんな関係を築きたいか、という家族としてのベクトルをすり合わせておくのです。悩みや迷いが生じたときの、1つの指標になります。例えば、記念日には外食がいいのか。家でケーキを囲みたいのか。そもそも食にお金をかける習慣があるのか。そう考える理由まで聞くと、相手への理解が深まりますよ。

 

また一番の先輩夫婦として、お互いの両親を大切にしましょう。自分の親族を、パートナーが気にかけてくれると嬉しいですよね。自身が育った家庭でよかったこと、両親の見習いたいところをシェアすると、相手と義両親をもっと好きになれるはずです。

 

■作ってみよう!我が家”だけの”特別ルール

意見がぶつかったとき、歩み寄るきっかけになるようなルールがあるといいですね。翌日まで持ち越したくないなら、夜に設定しましょう。夜は儀式があるからそれまでに話し合っておこう、と考える人は『ケンカをした日は、手をつないで寝る』。相手の体温を感じると、素直に謝ることができる人は、『おやすみのハグは絶対』など。自分たちのタイプに合わせたルールを設定しましょう。

 

『定期的に2人きりでデートする』もおすすめ。できれば外で待ち合わせをしましょう。家のなかと、人混みのなか。パートナーの見え方は全然違うものなのです。仕事終わりの待ち合わせも、結婚前のようでドキドキしますよ。男女の仲であることを、思い出すためのルールは重要です。

 

■他人、だからこそ

仲良し夫婦の先輩たちは、お互いを尊重し、敬い合う関係を築いています。相手を想い、想われる自分でいるための努力もしています。いいところは真似して、足りない部分は2人で補い合う。夫婦で足並みを揃えて、2人の理想の仲良し夫婦への道を、ゆっくりと歩んでいってくださいね。バージンロードを、歩いた日のように。

 

檜山 千明 プランナー